旅人、新世界をつくる

旅をしながら新世界をつくっている人の日常

西野さんの講演会に関わることは自分への貢献になっているか?

キングコング西野さんの講演会まで、あと10日ほど。

運営チームは準備を進め、よりよい運営となるように様々な議論が繰り広げられている。

で、運営アドバイザーの僕は何をしているのかっていうと、ぶっちゃけほとんど何もしていない。

運営チームの様子で起きていることを眺め、気になったことはチョロッと伝える。

それだけ。

あとは運営チームがドンドン進めていくので、次々と当初にあった課題がクリアされていく。

良い感じだ。

 

こうしたイベント運営を複数人でチームとなって進めていく時、どうしても出てくるのが温度差。

率先して自発的に行動する人もいれば、言われたことだけをこなす人、言われたことすらこなさない人などなど、様々な温度差の人が集まる。

スタッフがやりたいからスタッフをやっているのだが、スタッフをやりたい理由がそれぞれ違うので、関わり方の濃さが変わってくるんだよね。

イベント自体が自分事、つまり当事者意識が強ければ自発的に行動したりするんだけど、まぁ必ずしもそうではない。

というか、当事者意識を持ってスタッフとして加わる人は、ほとんどいないのが実情だね。

当事者意識ってさ、回を重ねるごとに育つものだったりするので、その日限りのイベントのスタッフだったりすると、当事者意識を持っている人はほぼほぼない。

この当事者意識をどうするか、っていうのは、運営統括の腕の見せ所だったりするのよね。

 

当事者意識を持たせるための方法の一つとしては、スタッフにフィーをお支払いすること。

プロのスタッフとして、依頼するということが方法の一つとしてある。

しかし、スタッフのフィーにまで資金を回せないときは、ボランティアでスタッフをお願いすることになるだろう。

その時には、別のアプローチが必要になってくるんだよね。

それは何かっていうと、スタッフとして関わることがスタッフの人生にどのように影響があるのか? に気づいてもらう。

そんなアプローチ。

結局ね、当事者意識が無いってのはさ、自分事になって無いってことだからさ、自分にとって大切なことだと気づいてもらえばいいのよね。

たいていの場合はさ、スタッフに関わることは一時的なもので、人生に影響を与えるなんて思ってない。

スタッフをすることと人生がリンクしていないんだよね。

これをリンクさせるのよ。

 

法人の社員研修をしている人から、

「社員研修で、社員が研修に集中してくれないんです」

って相談を受けるんだけど、それと同じなのよね。

社員研修ってさ、自発的に受講するのではなくて、上司に言われて参加してる人もいるのよ。

そうするとさ、研修よりも自分の仕事をしたい人も当然いるわけ。

忙しい人なんかは特に、

研修を受けてる暇があったら自分の仕事を進めたい!

なんて思ってたり。

研修内容は、仕事の効率化だったり、給与アップにつながるものだったりしても、そこがリンクしていないと、否定的な気持ちで受講してしまったりするんだよね。

これはさ、時間とお金の無駄で誰のためにもならない。

だからさ、研修を受講することが自分の人生が豊かになる、っていうことに気づいてもらう。

この研修を受講することが、仕事だけでなく、会社にとってどんなメリットがあり、自分にどんなメリットがあるのか?

それによって、自分の周りの人、恋人や家族、友人たちにどんな影響があるのか?

そんな風に影響の範囲を広げていくと、次第に人生とリンクしはじめ、当事者意識が変わってくるんだよね。

このようなことを運営スタッフに対してすると、当事者意識を持つようになってくるんだよね。

 

でね、ここで注意しなければいけないのは、自己犠牲になってしまうこと。

会社のために、好きな人のために、参加者のために等といったことは素晴らしいんだけど、ここに「自分のために」が抜けてしまうと、自己犠牲になっちゃうんだよね。

自己犠牲って、どこか美徳のようにとらえられたりもするけど、そんなこと全くない。

「自分のために」というのをすっ飛ばして、他人に貢献をしようとすると、貢献する人とされる人という分離が生まれるし、

「こんなに人に貢献してるのに、なんで私は幸せになれないんだ」

みたいなことにもなりかねない。

真っ先に貢献をするべきは、自分自身なんだよね。

 

今から、10年ほど前。

ピーター・セージという事業家の来日セミナーのとき、スタッフトレーニングを彼がしてくれたんだ。

その時に彼は、僕にスタッフをする理由を聞いてきた。

僕の役割は、音響担当。

だから、音響によって参加者のエネルギーが高まるサポートをし、気持ちよく会場を後にしてもらいたい。

そう答えた。

すると、ピーターは僕にこんな回答をした。

 

「他人に貢献をすることは、本当に素晴らしいことだ。

でもね、それをすることによって、自分に対してどんな貢献をしているんだい?」

 

僕は衝撃を受けた。

自分に対してどんな貢献をしているのか?

そんなこと考えたこともなかったからだ。

というのも、貢献は自分以外に対してするものだと思っていたから。

貢献を自分にするなんて、これまで教えてくれる人はいなかったし、それが体現できている人も周りにいなかったから、頭の片隅にもなかった。

周りには他人への貢献をしているのに、幸せそうじゃない人が沢山いた。

自己犠牲になっている人がいたから、貢献に対して疑問を持っていたんだ。

だけど、ピーターの質問で分かった。

自分への貢献をシッカリと考えない。

それをすっ飛ばした貢献は、自己犠牲になってしまう。

他者に貢献することが自分への貢献になる。

これが必要なんだってことに気づかされたね。

 

イベント運営をしていく時、これってすごく大事だなって実感してる。

だから、僕自身が何か依頼を受けるときは、それが自分にとってどのような貢献になるか? っていうのはしっかりと考えるし、統括をする時は、スタッフ自身の貢献になるようにしていく。

自分に貢献することを強制するのではなく、僕自身がその様子を見せて、影響を与えるって感じなんだけどね。

強制したら反発があるし、そこにコントロールは要らないかなって。

 

スタッフをすることが自分への貢献になってる、ってことにスタッフ自身が気が付くと、当事者意識も強くなるし、自己犠牲にもならないからね。

そうなると、運営チームに非常にいいエネルギーが循環し始めるのよ。

そうしたチームが作ったイベント会場がどのような状態か?

楽しそうでしょ。

そんなチームに笑顔で迎えられる。

なんか嬉しくなるでしょ。

自分への貢献は、必ず他者への貢献に繋がってくるのよね。

 

そうした状態はいきなりなるわけでもなく、時間が必要な時もあるんだけど、それでもそれを意識してイベントの準備を進めていくかどうかで、結果は大きく変わっていくからね。

さぁ、西野さんの講演会の運営チームがどのような場を生み出すのか?

僕も楽しみです。

 

まだ申し込みができるみたいです。
西野さんの講演だけでなく、運営チームにもご注目ください。

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