旅人、新世界をつくる

旅をしながら新世界をつくっている人の日常

僕はアベンジャーズ!むかつく母親をブッ飛ばせ!!

僕の母親はね、すごく教育熱心な女性だったのよ。

母親は戦争を体験してるし、とても貧乏だったみたいだから、僕には、そんな生き方にならないように教育に力を入れていたんだ。

とにかく勉強勉強。

テストで80点以下だと怒られるだぜ。

なぜ、そんな点数なんだ? と問い詰められるんだ。

その罰として、ドラゴンボールの2巻はビリビリに破かれたっこともあった。

あの時は、悲しかったなぁ。

 

小学生の時は、とにかくビンタされた。

しつけという名のもとに、とにかくビンタされた。

小学生4年生のころだったかな。

子どもながらに理不尽だと感じ、あまりにもムカついたので、泣きながら殴り返してやったのよ。

当然ながら、ビンタで返されたけどね。

そんな状態だった。

 

僕は、母親が好きだった。

なのに、母親に怒られ、ビンタされるんだぜ。

好きな人に接すると、悲しくなるんだ。

だから、心が混乱していたなぁ。

基本、母親はやさしい女性。

それは、子どもながらには分かっていた。

だけどさ、子どもの幸せを願うあまり、そうした態度をとってしまっていたんだよね。

それは、子どもの僕には分からなかったのよ。

だからさ、僕の中で消化できずに、怒りがどんどんと蓄積されていったんだ。

 

高校受験を控えた中3の時、僕はかなりのストレスを抱えていた。

「勉強しなさい」

という言葉がひどくうっとおしい。

こっちは、勉強してるつもり。

だけど、思うように成績が伸びない。

今の成績に労うこともなく、まだ足りないまだ足りない、って。

いつだったか、風邪をひいたときがあった。

喉がやられ、ずーっとせき込んでいる状態。

そんな中で行われた中間試験。

せき込みながら、のどの痛みに耐えながら、何とかその日の試験を終え、帰宅する。

僕を出迎えた母親の一言目が、

「試験どうだった?」

僕は、怒りに震えて、言い返した。

「俺の体調より、試験の方が心配なのか!!」

母親は、怒鳴り返してくる。

「ちゃんと心配してるじゃないのよ!!」

 

嘘つけ。。。

僕は信じられなくなって、何も言わずに部屋に戻った。

もしかすると、本当に心配してくれていたのかもしれない。

しかし、母親の言動からはそんなことは微塵も感じられなかったんだ。

僕には怒りが蓄積されていった。

でも、母親をブッ飛ばしたくなかった。

なぜなら、本当は大好きだから。

でも、怒りのやり場がない。

だから、よく布団を殴って、ストレスを発散していった。

 

僕は、そんな少年時代を送り、母親への怒りを蓄積させていったんだ。

その後、大人になり母親の束縛されない、自由な生き方をしてきたつもりだ。

大学卒業後、就職せずにバンド活動。

その後、家業を手伝うも4年でやめ、セミナー講師の道へ。

自転車で日本一周し、ビジネスコンサルをし、今では、旅人やってる。

母親との過去の関係性に関係ない生き方が出来ているなぁ。

 

って、感じてたけど、そうではなかったんだよね。

母親と話しているとさ、なんか、ブッ飛ばしたくてしょうがない衝動にかられるのよ。

まだまだ、母親への怒りがあって、解消されてないんだってことが分かったのよ。

でさ、心理学も学んでるし、その怒りの正体を突き止めたりしたのよ。

母親を許そうともしたのよ。

そうしたら、ある程度は許すことができたのよ。

だけどさ、ある程度なのよね。

またフツフツと母親をブッ飛ばしたい衝動にかられる。

激しい怒りが湧いてくるんだ。

実際にブッ飛ばすことは無いけど、ちょっときつく当たっちゃう。

それによって、罪悪感を感じたり。

いや~、根深いなぁ。

と感じながら、この原因が全く分からないことに悶々としてたんだよね。

 

だけどさ、ある時、その原因が分かったのよ。

僕はさ、母親に復習しようとしてたんだなって。

それに気づかせてくれたのがこの本。 

本屋で見かけて何気なく気になって購入した本なんだけど、そのなかに親への復讐についての記述が数行あるのよ。

それを読んだときに気づかされたんだよね。

僕がアベンジャーズ(復讐者)だってことに。

 

ようはさ、

「あんたの教育方法は間違ってるぜ!」

って怒りがあって、それを証明する生き方をしてきたってこと。

 

ほらほら、あんたの教育の仕方だと、こんな感じに なっちゃうんだぜ!

苦労する人生になるんだぜ!

あんたの言うこと守ったら、こんな風になっちゃうんだぜ!

これでも、あんたの言い分は正しかったって言えるのかい?

人を殴ってまでやったことが正しかったって言えるのかい?

どうだ!

言えないだろ!

とっとと降参して、謝っちまいなよ!

 

っていうことが言いたくて、それを証明する生き方をしてきたんだなってのが分かった。

そうした生き方をすることによって、母親の考えが間違っていることを証明し、心を無知砕かせる。

そんな復讐をしようとしていたんだなって。

それが分かったのよ。

 

いや~、マジでくだらねぇ。

何、その復讐?

意味なくねぇ?

って、傍からみたら馬鹿らしく感じるけど、知らず知らずのうちにやっちゃってたんだよね。

でも、幸いなことに、自分がやってるってことがわかったらやめられる。

だからさ、復讐するのやめたよ。

そんなことにエネルギー使うなんて、無駄。

もっと人生を楽しむことにエネルギーを使いたいからね。

復讐に執着しても誰も幸せにならんし、そんな生きかた望んでないからね。

そもそも許すとか許さないとかどうでも良いや。

母親が僕に何をしたかは、僕の未来と何も関係ねぇ。

って感じたのよ。

だからやめた。

 

アベンジャーズ脱退!!!

 

そんな感じ。

 

そうしたら、面白いことにね、母親とのリレーションシップが変わってきた。

あそこまで根深かった怒りを、今は全く感じない。

母親の全てを受け入れられる状態になってきたのよ。

言葉遣いも変わった感じもするね。

今だと、教育熱心で僕に厳しかったころの母親にも理解が示せる感じだ。

これは、許しじゃなくて、理解って感覚なんだけどね。

とにかくまぁ、母親とのリレーションシップがうまくいきはじめたんだ。

 

これで、母親に復讐する人生は終了だ。

これからは、さらに自分の人生を生きることができる。

うん、これからが楽しみだ。

みんなもアベンジャーズは、そうそうに脱退しようぜ!

 

最後に

この記事は、僕の母親がひどい人間みたいに映るかもしれないけど、そんなことないからね。

本当は子ども想いのとてもやさしい母親で、そういう側面もあったよ、ってだけ。

近所の人にも愛されている素敵な母親。

そのあたりは誤解しないでもらえると、嬉しいな。